2012年3月12日月曜日

集落と空き家について考える

私たちはこの1年、就農地と家を探して主に丹波地方を回ってきた。
この地域は小さな集落が多く点在し、のどかな農村風景が広がる
ところだが、やはりどこも高齢過疎化が進んでいる。
そして、必ずといっていいほど空き家が数軒存在している。
中には見るも無残に朽ちかけているものもある。
何故、こうなる前に手を打てなかったのか。
それぞれお家事情はあると思うが、家や田畑も荒れてしまったんでは
集落のみならず、その地方にとっても大きな損失である。
もっと言えば、日本の文化、伝統すら失われてしまう。
その地で家を受け継ぎ、暮らしたいという人は沢山いるのに。

因みに、S市では約500軒ほどの空き家があると分かっているらしいが、
その内売却、賃貸などで話が纏まるのは1%程度。
まぁ、職員の仕事っぷりはともかく、その程度しか提供できていないのが現実。
内容はマチマチらしいが、全国52の自治体で「空き家条例」なるものが
あるそうだが、国も含めて早急に思い切った対策を執らねば、過疎化、荒廃の
勢いは加速いくばかり。

例えば、こんな案はどうだろう。
・登記上の所有者に連絡がつかず、放置されている物件は自治体の
 管理下におき、有効活用できる人に貸す。
・耕作放棄地含め、明らかに日常生活をしていない、住民登録がないような
 土地建物に固定資産などの税を重くする。
・所有者(遺族)権利や特殊な問題に対して、速やかに相談できる窓口を設け、
 放置されることのないよう対策を提案する。

もっとも、住民の意識が変わらねばどうにもならないのだが、その地を出て行った
子息達も故郷のこと、日本のことをほんとうに想うのであれば、もう少し真剣に
取り組んでもらえたらと思う。
各地域の長の方は、切実な危機感を持たれているが、残念ながら住民の
お年寄り達はその意識はあっても危機感まではないようだ。
無理もないか。